猫の日

今日は猫の日だそうで…
うちの猫めくりカレンダーにそう書いてありましたから、そうなんでしょうけれど、
なんだか?って感じです。

皆さんから「我が心の旅」の放送を見ての感想を、たくさんいただきます。5月に放送された「情熱大陸」と題材は同じ「カザルス」だったのですが、「我が心の旅」のほうが印象が強かったみたいですね。

自分が出演したものは、なかなか平常心では見られず、
だいぶ後になって見ることが多いです。
実際、この「我が心の旅」も85%ほどしかチェックをしておらず、
皆さんからの感想で、思いを寄せているところです。(変ですね。)

いただいたメールの中から、ひとつ紹介させていただきます。

「一生弾き続けなさい。速く弾こうとか、強く弾こうとかしなくていいから。
少しずつでいいから、一生弾き続けなさい。
ピアノは指で弾くものじゃない、心で弾くものだから、、、」
ピアニストのフジ子・へミングさんが私にかけてくださった言葉です。
40を前にもう若くない私が、どうピアノと向き合えばいいか、
探し求めていたとき、与えられた言葉でした。

音楽に限らず、芸術に限らず、人生のどんなところを切り取ったとしても、
私は「続けていく」ことの何処かに、答があるのではないかと、そんな風に思っています。
私を含め、答を短絡的に求める傾向は、強すぎるのではないでしょうか?
また、答がわかっていながら、進むべき道がわかっていながら、
今ある現状から離れることが出来ないことも。

でも諦めなければ、いつか、気がつかないうちに、自分がそうなりたいところに、
ちゃんといるはずです。私はそれを音楽を通して、教わっている最中です。

「我が心の旅」のロケ中に、音楽学生の前でチェロを弾くことになりました。
実のところ、すごく躊躇しました。
「音楽の勉強」から20年も離れ、チェロを弾く基礎、ましてクラシック音楽など
たぶん、すっかり忘れてしまっている自分が、彼らの前で何をしたらいいのか、と。

結局は今の自分を隠さず、自分のやってきた音楽を隠さず、さらけ出すことなのだなぁ、
と、彼らの前に立ったときに思いました。
実際の演奏も、ほとんど即興で弾いています。
音楽学生を前にして、自分は何を感じるか、ということも試したかったし。
演奏自体も完璧ではありませんが、まぁそれが今の自分の「レベル」
ということですけれど….

彼らに「何かを伝えたい」、という強い気持ちが私の中に生まれたのは、驚きでした。
私が音楽学生の時は、何もわからずやっていた部分がとてもあって、
その小さなヒントになればいい、という思い。
私自身がもっと若いときに気がついていれば、そうすれば今は更に
前進していたかもしれない、というものを、彼らにも分けてあげたい。
今まで自分では知らなかった、思いでした。

ロケ中に、そうやって即興で弾いた曲が、今回の新しいCDに収録されています。
もちろん、曲の構成を練り直して。
人との交流や、何かにインスパイアされて生まれてくる音楽は、やはり刺激的で、
音楽をやっていてよかった、と思える瞬間でもあります。