Motel Chronicles


■2005年11月26日

最近の出来事をいくつか。

まず、昨晩、東京紀尾井ホールのコンサートを無事終えることが出来ました。
私にとってはちょっと格式高過ぎるかもしれないホールでしたが、
でもとてもいい響きで演奏者側にとっても弾きやすいところでした。
実はステージ上で演奏しやすく、しかも客席側の音もいいというホールは
なかなかありません。
お客さんが入っていない状態でのリハーサル時にはとても良かったのに、
お客さんが入ってホールの性格がガラリと変わる、というのは
よくあることです。
とくに冬場は音を吸収するセーター類が多いので、響きがなくなることが
ほとんどですけれど...
紀尾井ホールはお客さんが入ったほうがもっと音が落ち着いて、
とても良かったと思います。
たくさんの方々、来てくださってありがとうございました。
例によってリハーサル風景です。
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コンサートの2日前に、めざましテレビに出演しました。
京都からの生中継。
白沙村荘(はくさそんそう)というところで、
たいへん奇麗な庭園の中での演奏でした。
でも...
今までで一二を争うほどの過酷な環境だったかも知れません。

京都入りしたのは前日の夜11時くらい。
ちょうど紅葉シーズンだったのでホテルは京都市内に取れず、
スタッフみんなも琵琶湖のホテルでした。
午前4時には中継現場入り。
そう、午前2時は起きないと準備ができなかったので、
ベッドには入りましたが結局は眠れず、そのまま仕事に行きました。

私の演奏現場は小さな池のほとり。
リハーサル時はまだ真っ暗でそれほど寒くない、と思っていましたが、
一度部屋に戻って暖をとると、それから寒いのなんのって...
久しぶりに身体がガタガタ震えていました。
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しかも水の近くですから湿気がひどく、楽器は朝露でびっしょりになり
(番組中では軽部アナウンサーとのやり取りで、つい「霜」と言いましたが、
朝露の間違いです。この時期、霜はおりません。お詫びいたします...)
とても弾ける状態ではありませんでした。
でも弾きましたけれど...(笑)
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手をポケットに入れているのは、ホッカイロで暖めているのです。
現場ではマネージャーとかにはブツブツ文句は言っていますけれど、
でも本人的には楽しかったりするのです。
ただ楽器が困りますね。
もちろん撮影ロケ用の楽器を持っていきましたが、それでも湿気で
すごく音が変わってしまいましたし、弓もいくら張っても湿気で
緩んでしまう状態。
今は湿度40%の部屋で、けなげに乾かされています。
音がちゃんと戻るといいのですけれど...

私たちスタッフの中で話題に上ったことは、私はVAPという
日本テレビ系列のレコード会社に所属していますが、
その私がフジテレビに出演したこと、VAPの社員(私のディレクター)が
現場に同行したこと、その番組内でテレビ朝日系列の番組
「世界の車窓から」のテーマ曲を弾いたこと...
いやぁ業界的にみると、滅茶苦茶であります。(笑)
なかなか本人的には楽しいですけれどね。
もっとこういう仕事、ないでしょうか?
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この仕事をしながら今までどんなところでチェロを弾いたか、考えてみました。
ドナウ川を渡る船の甲板の上、夜明け前のシチリアの断崖絶壁の丘、
やはりシチリアで夕日が沈む頃の海岸の丘、万里の長城、天安門広場、
その他北京市内、スペインの風車の前、マルタ島の大聖堂床にある
聖ヨハネ騎士団のお墓の上、イタリアの国内普通列車内、
カリブ海クルージング船、オリエント急行車内、世界各地の教会、
エッフェル塔前の広場、ポンピドーセンターの前、スペインガウディ建築の建物内、
ハンガリーの大草原、パリ祭のときにマリのある有名なシンガーのステージ、
ゴルフ場のグリーン、プール、デパートの屋上、美術館、
ニューヨーク市民ホールの前、ブルックリンブリッジ、ベネチアのゴンドラの上、
インドの宮殿ホテル、等々まだたくさんありそうです。
京都のお寺もたくさんありますし、平安神宮の茶室でというのありました。
何とか探検隊、みたいになってきましたね、だんだんと。
色物ではないはずなんですけれど....

話は変わりますけれど、ボージョレーヌーボーってどうしてあんなに
大騒ぎするのでしょう...
美味しいですか?
安いですけれど、でも味は...ねぇ?
一番最初に飲める、いわゆる収穫祭に飲むような感じのワインと
勝手に思っていますが...
よくは知りませんが、こんなに大騒ぎして飲むものなのかなぁ、と
いつも疑問に思います。
一応近くのスーパーで買って飲むのですが、いつも失敗した、
安いチリワインにしておけば良かった、と反省してしまいます。
今年は無農薬というものを選んでみましたが、いつもと同じで
味の深みはないし、それほどフルーティでもなく、若いから
舌の上では攻撃的な感覚がたまらなく嫌でした。
ボージョレーヌーボーでなくてもパリのどうでもいい定食屋の、
安いムニュについてくるグラスワインがこんな感じです。
それでも少し空気に触れていると、どうにかなるんですけれどね...

先日、ディレクータ連中とホテルの日本食屋さんで打ち合わせを
していたのですが、テーブルのメニューにボージョレーヌーボー
1350円というのがありました。
私は運転がありますから絶対に飲みませんが、みんなはビールのあとに
ワインでも頼もうかという流れに。
でもこの値段、注文のときに聞いたらグラス一杯の値段でした...
どうりでうちのスーパーよりも安いなぁ、なんて思っていたのです。
ということは1本6000円ちょっとですか。
もちろん頼みませんでしたよ。
ボージョレーヌーボーに6000円なんて冗談じゃないでしょう...ケチかなぁ...
同じ値段ですごく美味しいカリフォルニアワインをみんなは楽しんでいました。

ボージョレーヌーボーは今の時期だけですけれど、これが時間が経つと
普通のワインになるのですよね?
これがいつも疑問に思うことなんですけれど...
あ、いや、違うみたいですね。
ボージョレーヌーボーはステンレスのタンクで作られる....
ふーん....