Motel Chronicles


■2005年9月19日

中秋の名月でした。
ちょうど月が昇り始めた時の、なんと美しかったこと。
この世のものとは思えないほどでした。


話はまったく変わりますが、野球とか格闘などの試合は
勝ち負けが決まって、私的にはいつもすごいことだなぁと思っています。
だって負けちゃうんですよ。
いつかチャンスがあったら試合に負けたピッチャーの気持ちとかを、
その気持ちの切り替え方を尋ねてみたいものです。
バッターもそうですね。3割バッターでさえ10回打席に立って3回しか
打てないのですから...

負けるということを音楽に置き換えてみると、どういう感じなのでしょうか。
コンサートにお客さんが全然入らない、CDがまったく売れない、
コンサートでまったく音程が取れなくてメロディも忘れてしまう、
レコーディング用に書いたスコアがまったくいい響きをしなかった等々、
ネガティブなものを書き並べてみましたが心臓が痛くなります。
でも何か負けるということとは違うような気がします。

曙のように負けても負けてもまた試合に出て、しかもマスコミには
散々悪口とかをいわれて、でも結局は彼は頑張る。
もちろんこのまま負け続ければ、彼の格闘家としての生命は絶たれて
しまうでしょうけれど、それでも続けるのでしょうか。
私も年を取ってチェロの演奏がおぼつかなくなっても、
弾き続けるのでしょうか。
いつ引退するべきなのでしょうか。

チェロを弾くことも、その日の調子によってよかったり悪かったりします。
それが何の原因からなのかをわかっていれば微調整も出来るのですが、
なぜ今日は楽器が鳴らないのか、なぜ音程が秒にずれるのか、なぜ自分の思いが
音に乗らないのか等々。
どんな状況でも自分の最高の状態を出せるのがプロであり
トップの演奏家であるわけで、そのためには練習が一番なわけです。
でもどうしても原因のわからない調子の悪さがあって、たぶん精神的な
ものなのでしょうけれど、例えばリハーサルではすごく良かったのに、
1時間後の本番では楽器が鳴らない、とか。
たぶん心がビビっているのでしょうね。
やはり練習することだけが私を助けてくれるような気がします。
 
しかし野球でいうとどんなに素晴らしいピッチャーでも、シーズン中に負ける。
どんなに才能があって死ぬほど練習をしても負ける時は負ける。
勝ち負けがわかりやすい方が気が楽なのか、それとも音楽のようにわかりにくい
(わかる人にはわかるでしょうけれど)ほうが気が楽なのか...
コンサートが続くようになると、いろんな気持ちの切り替え方が重要に
なったりします。
これだけ長く音楽をやっていても、いつも悩むところでもあります。

そう、コンサートツアーが始まりました。
まずは大阪でした。
次の日は新しいCDの大阪キャンペーン、翌日は名古屋でのキャンペーン。
キャンペーンはなかなか大変です。
ラジオの生放送に出演したり、雑誌等の取材を受けたり。
話すのは新しいCDに関してがほとんどになりますから、話す内容も
同じようなことの繰り返しになります。
まぁそれがキャンペーンですから...
でも同じことを話すのは苦手なので、微妙に変えたりして
自分自身で楽しんでいますけれど。
ただそれも1日に7本とか続くと限界が見えてきますが...
今回お会いした皆さんはとてもいい人たちで、とても楽しい時間を
過ごさせていただきました。


写真をいつものように撮ったものを、今回はノーコメントで
並べてみようかと思います。
キャンペーン中の仕事全部を撮影していればいいのですが、
微妙に撮影をマネージャーが忘れていたりで、ちぐはぐになっています。
撮影されなかった方々、ごめんなさい...
ついでに東京のキャンペーンの時の写真も入っています。

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お弁当の写真は矢場とんと言って、名古屋の美味しいミソカツ弁当です。
柔らかくて美味です。新幹線車内で食べ始めて、ひとつ食べたところで写真を
思い出し撮りました。だからお肉ひとつ分減っています。
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また梅田の阪急デパート前のコンコースが改装されるとのニュースを見て、
その古い建築を見てきました。
デジカメを持って撮影する人、取材クルーとかですごい人だかりでした。
こういう古くて美しいものが壊されていくのは、本当に忍びないものです。
ニュースでは何処かの場所に保存されるようなことを伝えていましたが、
何気ない普通のところに普通に存在していることが素晴らしいのに、
と考えました。大阪の人に言わせると普段は気にしたことがない、とも。
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