■2004年1月12日
今日は昨年いただいたメールの中から、一番質問の多かったもの
にお答えしようと思います。
ただ、この答えというのはとても難しくて、言い様によっては
「イヤミ」や今までのことに対しての「失礼」にもなりかねないので、
気をつけて書くつもりですし読む方も変な誤解、詮索をしないで
読んでいただきたいと思います。
それは「プレゼント」のことです。
コンサートでもいろいろなものをいただきますし、メールでも
どんなものが好きですか?花は好きですか?甘いものは?と
いろいろ質問をいただきます。
ただ、私は基本的にはCDを買っていただいたりコンサートに来ていただく、
これだけで十分なのです。
例えば私に何かをあげたい気持ちがあるのなら、その気持ちとお金で
私のCDを友人に送ってもらえるほうがどんなにうれしいか。
以前にも書きましたが例えばヴァレンタインデーにチョコレート、
というのではなくて、その気持ち、この金額を例えばユニセフのようなところの
寄付にしてもらえたらどんなにうれしいか。
チョコレートをたくさんいただいても、食べきれるものではありませんから...
では、私が例えば他のアーティストの楽屋を訪ねるとき、どんな基準で
プレゼント(差し入れともいいますが)考えるかをお教えしましょう。
まず基本的には消えモノであるということ。
花であるとかお酒が好きならワインであるとか、後々形が残らないものが
基本であります。
嫌みでない程度に名刺代わりに自分のCDを持って行くこともあります。
女性の歌手、女優さんですと花が基本となりますが、これも
持ち帰りしやすいものにします。
楽屋花など大きなものが好きな方も多いですけれど、基本的には芝居等の長期で、
その劇場につめる人が楽しめるもの用であると思います。
ただ、そういう花がたくさん来る人気舞台の裏側はどうなっているか
知っていますか?
例えば渋谷のシアターコクーンなど飾る場所がなくて、レコーディング
スタジオがある地下への非常階段に所狭しと並ぶことになります。
夏場などその臭いことといったら尋常じゃありません。(笑)
終演後のゴミとしても大変なものになりますから、最近では楽屋花を
遠慮させてもらっているところも多いと聞きます。
特に絵画関係の画廊などはそうですね。
本当に楽屋に花を飾る時は、皆さん匂いのないものを選んでいるようです。
歌舞伎役者さんの楽屋などは胡蝶蘭だとかを多く見たことがあります。
百合の花は豪華で美しいとは思いますが、匂いがとても強くて好き嫌いがあるのと
狭い楽屋ではちょっとツーマッチかなと思うので私は選びません。
私が好んで贈る花は紙ボックス入りのものです。
いろいろ種類があるのですがそのきっかけとなったのは、ある制作会社の社長さんから
コンサートのときに真っ赤なバラ一輪が入ったボックスをもらったことからでした。
とても贅沢でオシャレな感じがしてよかったのですが、いただいた人が男性だったのが
惜しいところでしょうか。
ボックス入りのものはスタッフの管理としても、家に持って帰る時もとても楽なのですよ。
数や大きさではなく、やはりインパクトも大事かと思います。
花をいただいて唯一困るのは東京以外のとき。
花はとてもうれしいのですが、持って帰れないのです...
気持ちはとても嬉しいからこそ、正直これだけは困ってしまっています。
お酒はよくわからないのですが、ワインだったら何となくおいしいものを知っているので
よく楽屋見舞いとして持って行きます。
先日の市村さんにも持って行きました。
ワインは重くて持ち帰るのが大変なのですが、何本あっても困るものでは
ありませんし、家でパーティーなどをしたときに重宝します。
甘いものは難しいですね〜。
その人がいくら好きとはいえ、そんなにたくさん食べられるものではありませんから。
トリュフタイプの生チョコレートを数切れ、などはオシャレでいいとは思いますが
数が多ければスタッフと一緒におやつの時間となります。
差し上げる側の人にとってはその人に食べてもらいたい、その人に喜んでもらいたい
気持ちいっぱいでのこととは重々承知しているのですが、もらう側としては
ある程度周りのスタッフにも分けてあげたいという気持ちは大きいものです。
みんな一丸となって頑張っているので。
一番うれしいのは「皆さんでどうぞ」と持ってくるものでしょうか。
これはたいてい製作現場を良く知っている人に多いのですが...
もうひとつ難しいのは手作りもの。
知り合いであれば問題はないかと思うのですが、そうではない人からのものは
皆さん悩んでいるようです。
気持ちがたくさん入っているからこそ、なんですけれどね...
昨年舞台関係に初めて関わったときに発見したのですが、長期公演の時の差し入れは
随分違うのですね。
水とかビールとか基本的に箱単位。役者皆さんにという考え方だそうです。
そしてどちらかというと期間中に消費出来る、実用品っぽいものが好まれるとのことでした。
いろいろ書きましたがやはり自分がもらいたいものを贈る、というのは
基本中の基本であるかと思います。
そしてコツは個人的な「思い入れ」をあまり見せないことでしょうか。
私もここが一番難しいところなのですが。
どうぞ何かの機会のご参考までに。
もうひとつの質問「サイン会のときに握手はしないのですか?」について。
2、3年前までしていたのですが、コンサートが二日連続であったときに次の日に
握力がなくなってしまってからやめました。
デビュー時のアイドルとかが握手会2000人とかやっていますが、敬服してしまいます。
終わったあとには手がパンパンにふくれあがってしまうのですよ、本当に...
それからサイン会に並んでいただく方々はいつも約200人近くになっています。
皆さんをお待たせすることをなるべく避けるために、サインは簡略化して
握手も上記の理由から遠慮させていただいています。
(サイン中のおしゃべりは大歓迎なのですが、みなさんあまりお話ししませんよね?)
ただ簡略化サインとはいえ自分なりに幸運のマークになるように考えました。
フルサインとはまた違ったご利益(?)があるのではないかと思っています。
先日プレスリーの伝記映画を観たのですが、ディナーショーみたいなところでは
女性客がステージ前に群がるとサービスでプレスリーはキスしていました。
それも頬ではなく唇に。
古き良き時代だなぁと妙に感心してしまいました。