Impression Of Sunday
- バルコニーの下で
- Long Buauty
- 国境の朝
- シエナへの道
- Offset Of Love
- 眺めのいい橋
映画にこんなタイトルがあったような気がしています。
ただ、それだけでいろいろなイメージが膨らんで書いた曲です。
きれいに刈られた芝生のある庭があったり、いろいろ景色は自分の中ではあるのですけれど。
Impression Of Sundayのレコーディングは、パリに一ヶ月以上滞在して行いました。
築150年以上の古いアパートを借り、毎日寒い寒いといって震え、電気温水器の使い方を知らずに途中でお湯が出なくなるお風呂、地下鉄のゴーっという音で朝目を覚まし・・・
でもやはり住めば都です。
この曲のいきさつは、あまり詳しくかけないのですが、美しいものは永遠に、という願いは誰の心にもあると思います。また、美しいもの、完全なるものはいつもいつも変化し続けている、そう考えています。そんな願いを込めました。
パリでのレコーディング中、休みを取って夜行列車でパリからイタリア、フィレンツェへ 出掛けました。クリスマス前の美しい季節でした。
車中で国境を通過するわけですが、早朝の薄暗い、雪混じりの車窓を眺めながら私は何処に行くのだろう?異国の人間が異国の国境を渡るのは、どういうことだろう?
私の中のボーダーラインはなんだろう?と哲学的なことを考えていました。
自分の場所を探していた頃で、感覚が冴えていたのか、夜明けの紺色の美しさが今でも脳裏から離れません。
皆さんはもう見つけましたか?
上記のイタリア旅行中に、車を借りてフィレンツェからシエナに小旅行したときの、
イメージです。
もっとはやくシエナに到着する予定でしたが、道路標識を読むのが難しくて、着いたのは
夜7時くらい。でも街は街頭に照らされて、とても美しかったです。
有名な広場も観光客もあまりいなくて、悲しいくらい美しかった。
旅とはもちろん到達点を目標としていくのですが、その過程や、その時の心の動きが
うれしいものです。だからなのか私は移動しているものに乗っているとき、車や飛行機、
列車の中が、一番イメージが湧いてくる場所でもあります。
また、そうやって運ばれている自分を感じるとき、すごく素直なちっぽけな自分と、
巡り会えます。
好きな曲です。
人の愛情って、どこかすれ違っていると思いませんか。それはどんなにがんばっても、
他人であるから、それは親子だって他人であるわけだから、
しょうがないことなんだろうけれど・・・。
すれ違うからこそ、その溝を埋めたいと思うのも、人間の愛情表現のひとつなのかな、
と考えます。
私はこの曲を聴くと涙が出ます。それはごくごく私的な感情ですが、曲を作り出す元と
なるものは、やはりその時の感情の動きであって、それをどうしても想い出さずには
いられないからです。感情の動き・・・、苦しいほどのせつなさ、楽しさ、苦しさ・・・
私の心が一杯になって、心が壊れる前に吐き出したくて、そのために音楽に携わっている
部分もあります。それは本当に個人的なことなのですが、そのウエーブに皆さんが
同調したり反発、感動、勇気づけられたり・・・それはもともとにある部分が違ったとしても、
うれしいことです。
ただ、皆さんが見たり聴いているものは、私ではない。
皆さんが感じて共感している部分は、全て皆さん自身なのです。
感じているものは、曲に込められた私の感情そのものではなくて、それに波長を合わせたり
反発したりした皆さんの心です。それを感じているのです。
私は、まわりにあるもの全て、鏡だと思います。
自分を知りたければ、まわりを見ればいい。心を澄ましてみればいい。
私は自分自身がすごく知りたい。まだ知らない自分を、知りたい。
だから音楽に携わり続けるのです。
眺めのいい部屋、という映画がありましたね。
セーヌ川にかかる橋から水面をぼーっと眺めながら、心が壊れそうになる思い出や、誰かに
すぐ伝えたい感動、くだらない愚痴・・・そんなものをかみしめながら、さて、さようなら、
明日もね、というなんでもない話。
レコーディング中のパリは、暗く寒かったけれど、でも何処かに太陽はあるよね、
という希望を持った良い曲です・・・。