災い転じて
2009-6-15肩をおかしくてしてから、何だかんだでもう1年近くになります。
治療は続けていてだんだんと良くはなっているのですが、なにせ
チェロを弾きながらなので治療速度はとても遅いです。
本当は3ヶ月完全に休まなければいけない期間があったのですが、
コンサートを普通にやっていましたからやはりダメですね…..
以前右肩を壊したときはちゃんと3ヶ月休んだので、実質チェロを弾けなかったのは
4ヶ月くらいで、治りも早かったと記憶しています。
先月レコーディングもして更に悪化、ではなくて、治りが遅くなって
しまったような感じもありますが、まぁしょうがないでしょう….
肩をダメにしてからいろんな簡単なことが出来なくなりました。
出来なくなったというか再認識ですね。
まず右肩なので弓のボーイングにとても影響が出ていました。
私の楽器はウルフという楽器の中の共鳴みたいなものがとても強く、
半分楽器の調整と半分弓の圧力を強めにして、それを押さえていたところがあります。
当然身体への負担も大きいわけですが、いくら楽器を調整してもらっても
音量音質とウルフを止めることは相反するので、しょうがないようです。
今まで力業でなんとかしてきましたが、それが出来ないとなると
いろんなことを考えなければなりません。
そう、当たり前に出来ていたことが急に出来なくなってしまうと、
人間いろいろ考えます。(笑)
心を込めて演奏、というのはいつもの当たり前の行為ですが、
これがある日突然出来なくなると….つまり、今まで普通に演奏できていたものが
なくなってしまうと、途方に暮れるわけです。
まず、弓の震え。
ウルフが多い大きいということは、楽器が良く鳴っている証拠ではあるのですが、
それを使いこなす技量が必要でもあります。
良い楽器を演奏するということは、そういうこと。
素人がF1カーを運転してもF1ドライバーと同じように速く走れないのと同じことです。
弓の震えのコントロールはとても悩んでいるところです。
力で押さえ込めば大丈夫なのですが、それを続けていればまた肩を壊してしまう。
とはいえ、もう40年近く続けている弾き方を今直す、というのは
仕事をしながらはたぶん無理な話です。
たぶんみっちり1年以上をかけないとダメでしょう。
このあと何年私がチェロを第一線で弾けるかを考えれば、騙し騙しやっていくしか
ないのかなぁとも思っています。
それにしても演奏のクセはすぐには直りません。
下手をするとその時間分修正に使うかもしれません。
レコーディング中にもだいぶ震えてしまいました。
録音はやり直せばいいのですが、その時には気が付かないものもたくさんあります。
修正に苦労しました….
ウルフは左手にも大きな影響を与えます。
いつもだったら何気なくちゃんと音程が取れていたものが、ある日は
どうもしっくり来ない…
楽器の状態は毎日変わりますから、この音程問題も自分がただ下手になったせいなのか、
楽器のせいなのか良くわからないこともあります。
それじゃぁウルフをなくせばいい、となるのですが、そうは問屋が卸さなくて….
音色が良くて音量があってウルフのない楽器があったら、今すぐにでも欲しいです。(笑)
欲しいものと言えば24時間いつでもチェロが弾ける、仕事部屋としての
小さなスタジオが欲しいです。
ずっと探していますが、なかなか縁がなくて….
楽器を弾くうえで身体のクセを知ることも大事です。
体重のかけ方が前重心、後ろ重心というのがあるらしく、それによって
おのずと楽器の弾き方もあるという考え方。
私の場合は簡単に見てもらっただけなので正確にはまだわかりませんが、
後ろ重心らしく、でもそのクセに合った弾き方を今から習得できるかどうか….
なんとも難しい問題です。
話は戻りますが心を込めて演奏をする、というのは当たり前のこととして
やってきましたが、さて、これを意識するとどういうことが心を込めての
演奏となるのか….
また難しい問題に直面します。(笑)
ここ数ヶ月何となくそんなことを考えていましたが、あるときふとひらめきました。
まぁ話半分で読んでいただきたいのですが、左手の指先からチェロに対して
「気」を入れるのです。
右手は弓から伝えなければいけませんが、両手からチェロに気を入れて
包んでいるような感じです。
その先はその「気」は音となって空気を震わし、音楽となります。
言葉にして変な感じですが、意識して演奏するとものすごく違います。
今までは普通に何も考えずに出来ていたのに、ひとつ狂うと何も出来なくなるなんて….
でも改めて色々なことを言葉で理解し直すと、面白いものだったりします。
さて、もうすぐ韓国コンサート、それからビルボードと続きます。
韓国は昨年のyours:classiのCD発売を記念してのコンサート。
ビルボード東京は新しいCDから主にやります。
そう、リズムもチェロカルテットも入った豪華編成(笑)でのコンサートは
今のところこれ一回きりです。
私がデビュー当時の編成にも近いですが、自分でもとても楽しみにしています。
是非来てもらいたい、コンサートであります。
